「全ては主観である。」
これは、ローマの五賢帝の1人であるマルクス・アウレリウス・アントニヌスの言葉です。
物事すべては主観であるので、何が起こっても、そのことに対する反応を決めているのは自分なんだよ、ということを述べています。
この言葉は、アントニヌスが日記的に書き残した文を編纂した「自省録」に載っています。
この「自省録」は現代にも通じる気づきや知恵、人生哲学が詰まっていて私は大好きなのですが、時の皇帝が書き記したものであり、内容は傑作であるにのにも加えて、非常に人間らしい一面が記されているのも好感が持てます。
例えば、アントニヌスが誰かから悪口を言われた時のことを思い、
これに悩むも悩まないも主観によるのだ
と、まるで気にしてしまいそうな自分に言い聞かせるかのように書かれているのも、
皇帝でさえ、人間関係で悩んでいたんだなあ
と、私自分の悩みも決して悪いものではないように思われます。
さて、少し話が逸れましたが、
アントニヌスは、全てが主観であるからこそ、
自分の主観、つまり考え方を善い方向へと保ち、
悩みや苦しみに捉われることのないようにと、記しています。
実際、私たちは主観でしか物事を捉えることはできないと思うのです。
例えば、会社勤めの人で昇進を言い渡された人がいるとします。
あるAさんは、
ついに昇進できた!給料も上がるし、よりやりがいのある仕事ができるぞ!
と喜びに満ちています。
一方で、あるBさんは、
昇進してしまった・・・。管理職として部下をまとめなきゃいけないし、責任は増える。昇進なんてしたくなかったのに・・・。
と、不満や否定的な考えを持っています。
このように、同じ出来事が生じても、人によって、特に、その人がその出来事をどのように捉えているのかによって、その人にとっての感じ方は全然違います。
極端な話、AさんとBさんの一生においてまったく同じ出来事しか起こらなかったとしても、AさんとBさんの考え方、つまり主観の違いによって、本人視点での世界は全く異なるのです。
だからこそ、主観=考え方や捉え方 を前向きに保つことで、
前向きな世界、人生を送ることができるのです。
あなたも、アントニヌスがそうしたように、
考え方を前向きにするよう心がけてみませんか?
きっと、より善い人生を送ることができると思いますよ。